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統合失調症の症状・治療

自分自身の考えや気持ちを、ひとつにまとめて行動に移す力が低下する病気です。目的に沿って一貫した考えや行動が出来にくくなります。まとまりきれない心の内容が、現実とは異なった形をとって、幻覚や妄想として表現されることがあります。

陽性症状

幻覚

統合失調症では、自分の考えや行動に対して、批判や意見を言う幻聴が多くみられます。例えば、食事をとろうとすると「食べるな」と聞こえてきたり、「また馬鹿なことをしている」などと、命令や邪魔をするような声が聞こえてくることが多いです。また、複数の人が「自分の悪口」を言っている声や、「自分の噂」をしているような不愉快な声が聞こえてきます。

幻聴は統合失調症によく見られる症状ですが、幻聴は他の病気でも見られることもあり、それだけでは統合失調症とは診断は出来ません。その他の症状や経過を合わせて総合的に判断することが必要です。昨今は、症状が軽いうちに受診されるケースも多く、診断が難しい方も見られます。その場合は、専門医が十分に時間をかけて診察をすることが大変重要になります。

妄想

現実ではあり得ないことを信じ込んでを確信を持っている状態をいいます。 妄想はさまざまな精神的な病気で見られます。統合失調症では「誰かに監視されている」「見張られている」「盗聴されている」「悪口を言われている」といった被害妄想が多くみられます。また「世界中に自分の考えが広まっている」「頭の中に電波で考えを入れらる」などの妄想もあります。このように統合失調症の妄想には、ある程度ですが比較的多くみられるパターンがあります。

思考と行動のまとまりの無さ

自分の思いや考えを筋道を立てて、行動に移すことが苦手になります。そのため特に対人関係が苦手になります。その場の流れが理解しにくく、周りの状況に合わせて自分はどう振舞うべきかが分かりにくくなります。そのために、周りに合わせた応対ができなかったり、的はずれな行動をしたり、言ってしまったりします。他人と接した後で、ぐったりと疲れることが多くなります。

陰性症状

生き生きとした気持ちや感覚、考えが失われた状態のことです。表情や喜怒哀楽が乏しくなったり、周囲に無関心となります。思いついたり深く考えることが少なくなり、会話の内容も乏しくなります。何かをしようとか何かしたいという気持ちがなくなり、引きこもりがちで、何日間も何もせずに過ごしたりします。

治療

幻覚や妄想などの辛い症状を薬で軽減する治療を行います。薬は幻覚や妄想に対しては有効です。しかし、上記のような陰性症状には、残念ながら十分効果がありません。精神科の薬というとご心配になる方も多いと思いますが、以前に比べて副作用の少ない薬が多く開発されています。患者さんの症状に応じて、辛い症状が軽くなり、また副作用でも苦しむことが無いように、種類や量を細かく調整していきます。また社会参加をめざしたリハビリテーション、例えば人の集まる場でのストレスに慣れ、他の人と接する能力を高めることが重要です。そういった場として、デイケアを設置している病院もあります。(当院にはデイケアはありません)

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