強迫神経症の症状・治療
強迫性障害は、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない、わかっていながら何度も同じ行為・確認をくりかえしてしまう性質の病気です。
たとえば、不潔に思えて何度も何度も手を洗う、ガスの元栓や鍵や戸締りなどを何度も確認せずにはいられないといった症状があります。
主な強迫観念と強迫行為
自分の意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。ほとんどの患者さんは自分の強迫行為がおかしな行為であると思っているので、人知れず思い悩んだり、恥の意識を持っていることが多いです。
自分だけの秘密として、家族に内緒で強迫行為を行っていたり、見つかると不合理な理由をつけてごまかそうとすることがあります。また、家族に強迫行為を手伝わせようとする場合もあります。強迫症状には個人差がありますが、比較的よく見られる症状があります。
不潔恐怖と洗浄
汚れや細菌汚染の恐怖から過剰に手洗いをします。入浴、洗濯をくりかえすことがあります。ときには、手洗いを止められず、切りの良い数字や縁起を担いだ数字で、止めようとして止められず何十分も手洗いを続ける患者さんもいます。ドアノブやバスや電車の手すりなどが触れず、手袋をして外出する患者さんもいます。
加害恐怖
誰かに危害を加えたかもしれないという不安がこころを離れず、新聞やテレビに事件・事故として出ていないか確認したり、警察や周囲の人に確認する。例えば、車で人を轢いてしまったかもしれないという考えが頭から離れず、何度もその場所に戻って確認する患者さんもいます。
確認行為
鍵、戸締まり、ガス栓、電気器具のスイッチを過剰に確認する(何度も確認する、じっと見張る、指差し確認する、手でさわって確認するなど)。何度も何度も戻ってきては確認しなけば気が済まないため、外出することが億劫になります。
儀式行為
自分の決めた手順でものごとを行なわないと、恐ろしいことが起きるという不安から、どんなときも同じ方法で仕事や家事をしなくてはならないため、なかなか物事がはかどりません。
数字へのこだわり
不吉な数字・幸運な数字に、縁起をかつぐというレベルを超えてこだわる。例えば、車のナンバーである特定の数字を見るまで家に帰れず、同じ道を何度も走ったりします。
物の配置、対称性などへのこだわり
物の配置に一定のこだわりがあり、必ずそうなっていないと不安になる。
治療
心理療法と薬物療法を組み合わせて治療が行われます。個々の症状によって治療方法は異なりますので、患者さんとよく相談のうえで知慮方法を選択していきます。